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当院の医療方針

2021年3月31日

医療は、3つの段階に分けられます。まず医療の基礎は、予防医療です。予防医療は、病気にならないための医療の事で、具体的にはワクチン接種、フィラリア予防、ノミ・ダニ予防、良質な食事、良い生活環境、避妊・去勢等が挙げられます。

 

これらの予防を実施することで病気の発病の防波堤となり平均寿命が延びてきております。一方、これらの予防医療を怠ることで病気が早期に発症したり、感染症に罹ったりします。例えば、小型のわんちゃんは6歳以上から心臓病の発病の危険性があり、生活習慣から病気の発症を加速させることになります。例えば、長年塩分過多の食事摂取環境により高血圧から心臓病の早期(若年)発症の可能性があります。また、飼い主さんと同じものを長年食する事により体重超過となり心臓に負担がかかり、心不全の発症を加速させる原因となります。

この生活環境を改善する事は病気の予防となり、予防は医療の重要な基礎医療といえます。

 

しかし、予防をしっかりしていても、病気はいつか発症するものです。それは、年齢的、遺伝的、環境的な要因によります。また、病気は、一見突発的に発症したように思われますが、その実は体の内で深く潜行して、進行していきます。どの様な病気も一見突発的と思えますが発症前の段階(前兆)があります。東洋医学的には未病と呼ばれる状態です。

 

近年、ヒトの医療においてこの未病になる前の段階において健康状態(各検査による個体情報の取得)を把握し、発病の予測を行い、早期に介入して発症を抑えるのが先進の医療の一つです。

発病した時点では、回復、改善するには時間とお金がかかります。そこで前段階の未病状態で将来発症すると予測される疾患を未然に防ぐために、早期に治療を介入することが大切です(予見的治療とも)。この早期介入治療(先制医療)は、ただ単に薬を投与するということではなく、生活環境の改善や、サプリメントの投与に留めることもあります。

これが、医療の第二段階の先制医療と呼ばれます。

先制医療の目的は、早期に介入して医療の負担を軽減し、健康寿命を延ばすことです。

そして第三段階として治療医療です。発病して病態となった犬、猫に対し治療を施しますが、その病態を把握し的確な治療を行います。状態を確認するには定期的検査と病態時の検査情報が重要です(図)

 

まず、個の標準値を決めなければいけません。各年代における血液検査の意義として、1歳~3歳まではその子の固有の正常値(標準値)を決める為に検査します。検査結果表に付帯してくる標準値のようなものはあくまでも参考値で、色々な年代、各犬種の平均値を標榜としています。したがって、その子が健康である年代1歳~3歳までの値とは意味が違います。本当の標準値(正常値)は個別的な意味も含め1歳~3歳の通年の検査結果の平均値です。

7才~9歳までは、中年期からシニア世代の変革期です。この時に体調の変化があり病気になるか、未病の状態になります。その健康状態もしくは未病の状態を把握するために重要な血液検査です。1歳~3歳までの標準値と比較して年齢的、遺伝的要因、生活環境の変化と照らし合わせて検査結果を評価します。

11歳~12歳は、人間の還暦に相当する年齢です。このあたりを過ぎる頃に大きな病気にかかるため、検査が重要な意味をなします。

また、健康診断で重要なことは、毎年行って検査結果の変化をつかむことです。生活環境変化、種の遺伝的特徴とも照らし合わせ予見できる病気の発症を予測して、早期に介入治療することが大切です。その際の治療としては薬だけでなく、生活環境の改善(特に食事環境)やサプリメントの投与、時には早期に薬の投与が必要となります。